「ワナオトコ」あらすじ(がっつりネタバレあり)と感想
先日、「スノー・ロワイヤル」を観てきました。
リーアム・ニーソン、いいですよねえ。
予告を観た時、「これはシリアスなのかコメディなのか……」という感じがしたのですが、本編を観たら、完全にブラックコメディでした。
でも、「息子を殺されて復讐に燃える父親」をリーアム・ニーソンが演じると、なんだか笑いたくても笑っちゃいけない感じが漂う。
「96時間」でも、娘のために戦う父親を熱演していたし。
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「ラン・オールナイト」でも、息子のために戦う父親を熱演していたし。
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面白いシーンでも場内は静かめでした。
もっとゲラゲラ笑いながら観たかったので、ちょっと残念だったけど、それはそれで微妙な空気感を楽しみましたよ。
エンドクレジットまで凝ってたなあ。
さて、今日もホラー映画のあらすじと感想。
2009年の作品ですが、日本では劇場未公開。
「ソウ」シリーズや「ピラニア リターンズ」の脚本を手がけてきたマーカス・ダンスタンがメガホンを取っています。
「ワナオトコ」
主演のジョシュ・スチュワートは、テレビドラマシリーズのゲスト出演が多いようです。
映画では「ダークナイト ライジング」や「トランセンデンス」などに出演していて、「インターステラー」ではロボットのCASEの声を演じています。
クリストファー・ノーラン監督と縁があるのかな。
では、あらすじから結末まで。
夜の光に集まる虫、風になびく「犯罪現場立ち入り禁止」の黄色いテープ。
その向かいの家に、酒に酔った中年夫婦が帰宅する。
夫のラリーは電灯を点けようとするが、明かりはつかない。
寝室に入った妻が叫び、ラリーを呼ぶ。見知らぬ大きな赤い箱が置かれているのだ。
「コレクションに」とカードが添えられている。
妻の制止に耳を貸さず、ラリーは箱を開け、恐怖におののいた。
「警察を……」と悲鳴をあげるが、背後から何者かに口を塞がれてしまう。
導入部からなんともイヤーな感じが漂っています。「虫」と「箱」という、作中で鍵となりそうな物が最初から巧みに描写されていますね。
ここからタイトル画面となりますが、トランスミュージックに乗せたスタイリッシュな映像になっていて、別の意味でちょっと嫌な予感。スタイリッシュにこだわった映画って、そっちに気を取られすぎて、内容がおろそかになるパターンが少なくないので……さて、どうなりますやら。
所変わって、ある豪邸。防犯対策も含めた大規模リフォームの真っ最中で、大勢の業者が作業をしている。
家主の妻は美しさを維持するため、顔に注射を打っている。幼い娘のハンナは、業者のひとりであるアーキンになつき、お茶会に誘う。ハンナの姉でティーンエイジャーのジルは喫煙や夜遊びなど、悪いことに興味のあるお年頃。親も手を焼いている。
一家はこれから二週間の旅行に出かける予定だった。
アーキンは温室のそばで一服しているとき、大きな蜂の巣を見つけ、〈マスター・トラップ害虫駆除〉の作業員にそのことを伝えた。
仕事のあと、アーキンはボウリング場を訪れ、ひとり娘のシンディにクマのぬいぐるみをプレゼントする。
だが、夫婦は金の問題を抱えており、うまくいっていない。高利貸しに借金があり、アーキンは妻にその金を用意すると約束したのに、必要な金額を稼げずにいた。
「今夜12時までに金は用意する」とアーキンは約束し、悪い仲間に連絡を取る。
これ、どうやら奥さんの借金らしいんだけど、なんで高利貸しに借りるほどのお金が必要だったのか、明らかにされずじまいです。奥さん、ボウリング場の厨房で働いてるっぽいけど、実はオーナーで経営がうまくいってないとか?
アーキンは怪しいナイトクラブで男に会う。アーキンが例のリフォーム中の豪邸で働いていたのは、この男の指示で金庫を探し、宝石を奪って報酬を受け取るためだったのだ。そして今夜、留守宅に忍び込み、金庫を破り、金を手に入れるつもりだ。
アーキン、ワルだったんですねえ。腕利きの金庫破り。ボスっぽい男は、ムショ仲間だそうで。前科があったのか。
アーキンはひとりで豪邸に忍び込み、鏡の後ろに隠されていた金庫を開けようとした。
と、そこへ足音が。留守のはずの屋敷に、誰かがいるのだ。
アーキンは慌てて逃げだそうとするが、なぜか玄関の扉が開かない。さらに、傷だらけで怯えた家主に見つかってしまう。家主はアーキンが自分を痛めつけた犯人だと思い込み、ナイフを掴もうとすると、そこには罠が張り巡らされていて、さらにひどい怪我を追うはめに。アーキンもまた、家中に張り巡らされた罠に捕らえられていく……。
さあ、「ワナオトコ」の本領発揮。家中、トラップ満載。受話器を耳に当てたら針がぶっ刺さったり、とにかく痛そう。あちこちワイヤーやら鋭利な刃物やらで、一歩も動きたくなくなる。パッケージにもありましたが、まさに匠の技――。ただ、階段が釘だらけなのは、わかりやすすぎてちょっと笑っちゃったけど。そういう古典的な手も使うのか。
アーキンは犯人に見つからないよう家の中を逃げ回り、鎖で椅子に縛り付けられた家主のマイケルを見つけ、助けようとする。マイケルは金庫に銃があると言い、金庫のナンバーを教える。
金庫の番号、自ら教えちゃうんかーい!
まあ、アーキンが金庫破りとは知らないわけで……。
マイケルの妻ヴィクトリアは浴槽に縛り付けられていた。アーキンはヴィクトリアに悲鳴を上げさせ、犯人の注意をそらし、その隙に娘のハンナを探そうとする。
長女のジルは反抗期が幸いしたか、友だちと出かけちゃったそう。帰ってこないといいですねえ……。
そして、悲鳴を上げたヴィクトリアは、舌を切られそうになるんですが、結局切られない。でも、夫のマイケルはさらに痛めつけられる。男には容赦ない、それがワナオトコ。
アーキンは金庫を開け、銃とばかでかい宝石も手に入れる。が、銃の弾が無い。
と、部屋から物音がし、ハンナかと思うと、そこには赤い大きな箱が。箱を開けると、傷だらけの男が転がり出てくる。冒頭で登場したラリーだ。
ラリーは、「あの男は人間をコレクションしている。選ばれた者以外は全員死ぬ。やつが選ぶのは一人だけだ!」と話す。
「人間コレクション」、なかなかのパワーワードです。
そのあと、アーキンは床一面に硫酸(?)のようなものがまき散らされた部屋に逃げ込みますが、この家の飼い猫が悲惨な死に方をするので、愛猫家が見るにはかなりつらいシーンです。
アーキンが夫妻の元に戻ると、マイケルは殺されていた。アーキンはヴィクトリアだけでも救い出そうとするが、彼女は変わり果てた夫の死体を目にし、動揺して走りだしたところを犯人に刺され、捕まってしまう。そして、針と糸で口を縫われ……。
グロい。マイケル、はらわたが出ちゃってる。口を縫い合わせるシーンもきつい。
そこへ、何も知らない長女のジルが、ボーイフレンドと帰宅する。
……あああ、帰ってきちゃったよ。でも、イチャイチャしてて、なかなか家に入らない。アーキンは必死にジルを止めようとするが……。
ジルはボーイフレンドとキッチンで事に及ぼうとする。
はい、ホラーに付き物のお色気シーンです。ジルちゃん、顔はちょっとケバいけど、ナイスバディ。
でも、そこを犯人が舌なめずりしながら見てるんですよ。で、そんな犯人をアーキンが見てる。で、罠だらけ。緊張感と笑いがこみあげるシーン。
ジルがテーブルの下に潜んでいた男に気づき、ボーイフレンドは立ち向かおうとする。が、まんまと罠にかかり、悲惨な死を遂げてしまう。ジルは携帯で警察に通報するが、ひと言も発せないまま犯人に捕まってしまう。アーキンは目覚まし時計を鳴らして犯人の気をそらし、ジルを助けようとする。が、ジルはアーキンのことも信じられず、ハサミを掴んでトラップにかかり、壁に串刺しになって死ぬ。
アーキンはどうにか家から脱出したものの、窓辺にハンナの姿を見つけ、救い出そうと家へと引き返す。犯人に見つかったハンナを間一髪で助け、ふたりは子ども部屋に立てこもる。犯人がドアを破ると、アーキンは水槽を、ハンナはテレビを倒し、感電させようとする。が、犯人に突き飛ばされて部屋に入ってきたのは、ラリーだった。ラリーは感電死する。ハンナはランドリーシュートから逃げるが、アーキンは捕まり、殴られて気を失う。
意識を取り戻したアーキンは、むごたらしい拷問を受けながらも、隠れているハンナを目に留め、犯人を挑発して意識をそらそうとする。
この拷問シーン、歯を抜かれたり、お腹を切られて傷口から虫を体内に入れられそうになったり、悶絶必死です……。
と、さっきジルの通報を受けた警察が、発信源をたどって屋敷にやって来た。が、番犬に襲われ、応援が駆けつける前にあっけなく犯人に殺されてしまう。
その隙にアーキンは鎖を外し、犯人が家を燃やそうとしていることに気づき、逃げだそうとする。そして罠を逆に利用して、犯人に反撃し、ハンナとふたりで脱出した。そこへ応援のパトカーが続々と駆けつけ、アーキンはパトカーを止めようと飛びだし、はねられる。
「アーキンはパトカーを止めようと飛びだし、はねられる」
……なんで飛びだす必要があったんでしょうねえ。雨で暗いからって、あんな車の目の前に飛びだすなんて。
何はともあれ、ハンナは警察に保護され、アーキンは救急車に乗せられた。
アーキンは犯人と格闘中にマスクを剥ぎ、その顔を見ていた。そして、犯人はあの害虫駆除業者だったことに気づき、警察にそのことを伝えた。
炎の燃えあがる屋敷をあとに、救急車が出発する。アーキンのポケットには、金庫から盗みだした宝石が。真夜中までに妻に連絡しなければ。
これですべて心配ないと思われたが、救急車が衝突事故に遭い、転倒する。ワナオトコは生きていたのだ!
アーキンは赤い箱に入れられ、害虫駆除業者のバンで連れ去られてしまうのだった……。
最後にもう一度、"THE COLLECTOR"のタイトルが。そして出演者の紹介から、エンドロールへ。
最後のおまけ映像で、「おまえをぶっ殺してやる!」というアーキンの声、黙らせようと箱を蹴るワナオトコ。――完――
怖いというより、痛みにもだえながら鑑賞しました。
どの罠も痛いんだけど、釣り針みたいなのが顔に引っかかったり、地味なトラップのほうがリアルに痛い。
「盗人が忍び込んだ家には、さらに最悪な男が潜んでいた」って、「ドント・ブリーズ」もそれ系でしたね(あちらは家主がヤバい爺さんだったわけだけど)。
シンプルなストーリーながら、エンタメとして成立していました。
で、好評だったのか、本作には続編があります。
それが「パーフェクト・トラップ」です。
実は、そのことを知らずに、「パーフェクト・トラップ」を先に観ちゃったんですよ……ああ、不覚。
でも、「ワナオトコ」のことを知らずに観ても充分楽しめました。
捕らわれたアーキンとワナオトコのその後が描かれていますので、また次回にでも紹介したいと思います。
ところで、DVDのメインメニューって、作品ごとに凝ってて面白いですよね。
小姑が特に好きなのは「チャプターリスト」です。
チャプタータイトルを考えるのも大変なんだろうなと、いつも感心してしまいます。
(数字だけだとガッカリする)
「ワナオトコ」は89分と短い作品なので、6つに分かれていました。
1 覚悟
2 侵入
3 恐怖の地下室
4 トラップ地獄
5 コレクション
6 最悪の展開
ポインタが蜘蛛のシルエットで、凝ってます。
こういう小さなこだわりが嬉しいもんですよね。
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「チェンジリング」あらすじ(がっつりネタバレあり)と感想
ブログの更新が滞っているあいだに、季節はすっかり梅雨ですね。
雨が多いと出かけるのが億劫になりますが、家でゆっくりDVDを観るのにはもってこいの時期。
というわけで、観たばかりのホラー作品について、詳しいストーリーと感想を書きたいと思います。
「チェンジリング」
アンジェリーナ・ジョリー主演のほうではなく、1979年(日本公開は1980年)のホラー映画です。
監督のピーター・メダックはハンガリー出身で、「蜘蛛女」や「スピーシーズ2」、その他テレビドラマの監督も多数手がけている。
俳優として「ビバリーヒルズ・コップ3」などにも出演しているらしい。
主演は「パットン大戦車軍団」で主演を務め、アカデミー賞の主演男優賞を受賞したものの、辞退したというジョージ・C・スコット。共演のトリッシュ・ヴァン・ディーヴァーとは、私生活で夫婦でした。
では、結末までストーリーを追っていきます。
家族旅行中に、雪でスリップしたトラックが突っ込んできて、妻と娘を亡くしたジョン。しばらくは失意の底にあったが、高名な作曲家である彼は、やがて大学の教授として招かれたシアトルに移り住む。
一晩中ピアノを弾ける家を探したところ、歴史保存協会のクレアという女性が、古びた立派な屋敷を紹介してくれる。その屋敷には、12年間誰も住んでおらず、博物館にするという計画もなぜか立ち消えになったという。
ジョンは屋敷を気に入り、そこで暮らし始めるが、数々の奇妙な出来事を経験していく。誰もいないのにドアが開いたり、家中の水道から勝手に水が流れだしたり、毎朝6時には大きな物音が響きわたり、30秒が過ぎるとパタリとやんだり…。
ここまでの描写は、ギャーッというような怖さはなく、「おや、おかしいな」という程度だけど、静かで正統派の作り込みです。この作品、特殊効果やスプラッターに頼るのではなく、緻密な演出や音響効果にこだわっているそう。静かにぞわぞわさせられて、いい感じです。
歴史保存協会を訪れ、これらの怪奇現象について相談すると、協会員の一人のミニーという女性が、「あの家には誰も住むことはできない。家が人を拒むのだ」と言い放つ。
このミニーが、ジョンとクレアに敵意むきだしで、とても感じが悪い。なんなんだ、このおばさんは。
ある晩、ジョンは隠された屋根裏部屋があるのを発見した。蜘蛛の巣だらけの部屋でオルゴールを見つけ、ジョンは愕然とする。流れてきた音楽は、ジョンが作曲したばかりの曲そのものだったのだ。
このオルゴールのシーン、いちばんゾクッときました。
ジョンはこの屋敷は人を拒んでいるのではなく、何かを訴えようとしているのではないかと考える。クレアに相談すると、彼女はその屋根裏部屋を見たがり、ジョンは案内した。そこには、1909年に子どもの字で書かれた日記や、小さな車椅子などが残っている。どこか奇妙な部屋だ。二人が出ていくと、誰もいない部屋で車椅子に動きが…。
屋根裏部屋に子どもの日記、車椅子。じわじわと恐怖が募っていきます。車椅子が勝手に動くシーンは、あまりに地味な動きだったので、うっかりすると見過ごしそう。
ジョンは歴史保存協会の記録で屋敷について調べ始めた。前の持ち主は建築家で、1965年に購入し、67年に売却していた。協会は同年にカーマイケル議員の財団に援助を受けて、屋敷を購入した。が、古い記録がなぜか見つからない。協会員のミニーの話によると、1909年頃に屋敷に住んでいたのは、バーナードという人物で、娘と息子がいたらしい。だが、何らかの事故があり、1909年に屋敷を売却した。
当時の新聞を調べると、バーナードは医師で、7歳の娘コーラが家の前でトラックに轢かれ、病院で亡くなったとあった。
ジョンはコーラと自分の娘のキャシーがどちらも交通事故で亡くなっていることから、奇妙な縁を感じる。この屋敷は自分に何を訴えようとしているのだろう?
霊の正体は女の子で、幼い娘を亡くしたジョンのもとに現れたのかー、とまんまと思わされました。ところがですよ……
思いを立ち切るように、ジョンは娘がよく遊んでいたボールを河に投げ捨てる。しかし、屋敷に帰ってくると、さっき捨てたはずのボールが階段から落ちてきた…。
ベタだけど、怖い。地味に怖い。
ジョンは霊媒師を招き、屋敷に棲む霊との接触を試みる。霊媒師の問いかけに対し、霊はコーラではなく、ジョゼフと名乗り、ジョンに激しく助けを求める。だが、なぜ安らげないのかという質問に、ジョゼフは答えなかった。
ここ、霊媒師がいわゆる自動書記を行なうんですが、あまりに激しく手が動くから、ちょっと嘘っぽい。
ジョンは超常現象研究所みたいなところで霊媒師を紹介されたんだけど、そこの所長(?)も、「霊媒の99%はインチキだ」と言ってたし。
後でジョンが降霊会の録音を聴き返すと、そこにはジョゼフの声が残されていた。ジョゼフは「歩けない…僕の部屋…父さん…牧場…メダル…セイクレッド・ハート…死体…井戸…僕の名前はジョゼフ・カーマイケル…」と話していた。セイクレッド・ハートとは、かつて近くにあった孤児院の名称だった。
はい、霊媒師は残り1%の本物でした、ゴメンナサイ。
ここに来て急展開ですね。カーマイケルといえば、議員と同じ名前です。
おまけに霊は女の子じゃなかった!
そして謎のキーワードが盛りだくさん! どうする、ジョンよ!!
歴史保存協会のミニーは、ジョンたちが屋敷について調べていることを、議員のカーマイケルに密かに報告していた。
はい、出たー。ミニー、嫌なオバサンだと思ったら、やっぱりか。
ジョンたちは、かつてあの屋敷をカーマイケルの父親リチャードが購入したことを知った。リチャードの息子は3歳で萎縮性の関節炎にかかり、その後スイスに送られ治療を受けたとされている。1906年にリチャードに付き添われて渡欧し、第一次大戦後にアメリカに帰ってきたと記録があった。実際には、リチャードが病気の息子を殺し、孤児を身代わりに海外へ送り、替え玉とは気づかれない歳になってから帰国させたのだ。果たしてカーマイケル議員は、本当の息子が殺されたことを知っているのだろうか?
リチャードの妻はスペンサー財閥の一人娘で、若くして亡くなっている。父親のスペンサー氏も1905年に亡くなった。ジョンは故スペンサー氏が井戸のある牧場を所有していたことを突き止めた。スペンサーの遺言を調べると、孫のジョゼフがすべてを相続することになっており、娘婿のリチャードには息子が成長するまでの管理権しか与えられていなかった。さらに、ジョゼフが成人する前に死んだ場合、全額が寄付に回されることになっていた。リチャードは金を手に入れるために、病気がちで歩けない息子を犠牲にしたのだ。
この辺、真実が一気に明らかになりますね。
「チェンジリング(取り替え子)」というタイトルの意味も、ここで判明します。
要するに、カーマイケル議員の父親は、財産目当てで資産家の娘と結婚した。ところが、義父に気に入られず、嫁が死んでも自分には1セントも遺産が入ってこない。そこで足が不自由な息子を風呂で溺死させ、死体を隠し、少年を孤児院から引き取って(つまり、この孤児がカーマイケル議員)、足の治療という名目で海外に行かせた。その間、リチャードはスペンサーの財産を自由にできるわけです。
お金のために息子を殺すとは、とんでもない最悪な父親です。そういうところを見抜いていたから、故スペンサー氏はこの娘婿を嫌っていたのでしょう。
井戸があった場所には、今では家が建てられていた。が、降霊会のあった夜、その家に住む娘は、床下からこちらを見つめている少年の悪夢を見ていた。
ジョンたちは家の床板を剥がす許可をもらい、掘り進めていくと、やがて人骨が見つかった。ジョンは警察に誰の骨か心当たりがあるかと訊かれ、ないと嘘をつく。真実を明らかにするには、もっと証拠が必要だ。ジョゼフの言っていたメダルが鍵になるだろう。
再び一人で床下を調べていると、地中からするりとメダルが現れた。メダルにはジョゼフの名前と洗礼を受けた日付が刻まれていた。
このメダルが土の中から出てくるシーンも、なかなかに不気味でした。霊の姿はまったく映さなくても、かえって凄味のある映像になるものですね。
ジョンはカーマイケル議員に会いに行き、メダルと死体のことを話すが、カーマイケルは相手にしない。しかし、議員の胸には同じメダルが下げられている。カーマイケルは警察に連絡をとった。
ジョンのもとにカーマイケルに遣わされたデ・ウィット警部補がやって来て、脅しをかける。メダルを寄越せというのだ。さらに、クレアは突然、協会を解雇された。二人にはもう打つ手がない。
ジョンが屋敷の鏡を見つめていると、急にガラスが割れ、デ・ウィット警部補の死に顔が見えた。そこへクレアから電話があり、帰りに謎の交通事故でひっくり返った車を見た、デ・ウィット警部補が死んでいる、と話した。
デ・ウィットの死に顔が見えるシーン、唐突でギョッとしました。ここだけ雑な感じもしますが、緩急ってやつでしょうか。
ジョンはカーマイケル議員と対面し、調べあげた事実を語り聞かせる。議員はそれを認めようとせず、たかり扱いし、金で解決しようとする。カーマイケルは父親を心から尊敬していた。ジョンは証拠となる降霊会の録音テープや資料を置いて、議員のもとを立ち去る。
クレアが屋敷を訪ねると、車椅子が暴走し、追いかけてきた。ジョゼフの霊の怒りか、家全体が揺れている。ジョンは転倒し、屋敷に炎が燃え広がり始めた。と、そこへカーマイケル議員が現れ、階段を上っていく。階段は崩れ落ち、ジョンとクレアは逃げ延びたが、議員は戻ってこなかった。
だが実は、生身の議員は執務室にいた。彼はあのメダルが揺れるのを見つめながら、ジョゼフの悲痛な叫びを聞き、真実を知って心臓発作を起こし、息絶えたのだった。
カーマイケル議員が火事で死ぬのかと思いきや、実体は執務室にいて心臓発作を起こすところ、ひねりが利いています。結局、カーマイケルは父親を信じていただけなのに、こんなふうに死ぬなんてちょっと気の毒にも思いますが、汚い手も辞さないところはリチャードと同じなので、仕方ないか……。
屋敷は全焼し、車椅子の残骸が見える。そしてあのオルゴールがひとりでに開き、メロディを奏で始めるのだった…。
ここで例のオルゴールが再登場です。
最初にジョンがこの曲を作ってピアノで弾いていたとき、クレアは「素敵な曲ね。子守歌かしら」と言っていました。幼いジョゼフ少年は、この美しい子守歌を聴きながら、ようやく安らかな眠りに就くのでしょう。
悲しくも美しいエンディングです。
派手さはないけど、クラシカルで丁寧に作られた秀作だと思います。ミステリーとしても楽しめました。血みどろの残虐描写に辟易しているホラー映画ファンにお勧め。
ただ、なんで午前6時に不気味な音が響いたのか、そこだけわからずじまいです。
ジョゼフ少年が息絶えた時間だったとか?
何か見落としてるのかなあ。いずれまた見返したときに、気をつけておこう。
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11.「キッズ・オールライト」
久しぶりの更新です。
大したことは書いてなくても、ブログをマメに更新するのって、それなりに意志力が必要だと痛感。
でもまあ、無理のない範囲で続けるのが目標なので、元気な時に更新していこうと思います(自分に甘すぎる……)
ところで、前売り特典にないジャンルって、なんだろう?
たぶん、食べ物は付いてきたことがない気がする。
知らないだけで、あったのかな?
生ものは難しい、というか、おそらく不可能ですよね。
でも、「植物」というジャンルならありました。
「キッズ・オールライト」THE KIDS ARE ALL RIGHT(2010年)
監督:リサ・チョロデンコ
出演:アネット・ベニング
ジュリアン・ムーア
ミア・ワシコウスカ
マーク・ラファロ
ジョシュ・ハッチャーソン
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前売り特典はこちら!
【花の種】
「ひまわり」の花ことばは「光輝」
「八重矢車草」の花ことばは「優美・幸福」
ランダムに配布されましたが、その他に「コスモス」もあったようです。
4月に公開の映画だったので、配布時期と種蒔きの時期がちょうど良かったですね。
と言いながら、蒔かなかったわけですが……。
植物の種って、期限はあるのかな?
いまなら、どちらも蒔き時だし、ううむ、悩む。
この映画、いかにもカリフォルニア!って感じの明るさに包まれていて、笑って考えさせられる良作でしたね。
アネット・ベニングとジュリアン・ムーア演じるレズビアンのカップルが、精子提供によって娘と息子を授かる。
その子どもたちがティーンエイジャーになり、精子提供者であるマーク・ラファロと知り合ったことから、家族のあいだに変化が起きていく……という物語。
アカデミー賞の作品賞、脚本賞、主演女優賞(アネット・ベニング)、助演男優賞(マーク・ラファロ)の4部門にノミネートされました(残念ながら、いずれも受賞はならず)
色々な家族の形があるけれど、みんなで楽しく食卓を囲めれば、それが一番の幸せだと思います。
10.「フライト・ゲーム」
昨日は令和になって一本目の映画、「ホワイト・クロウ」の試写会に行ってきました。
伝説のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの物語。
レイフ・ファインズが監督し、自らも主要なキャストで出演しています。
レイフ、ずいぶん髪が寂しくなったなァ……
映画はダンスも美術も素晴らしく、1960年代のソビエトという国家の閉塞感や緊張感も伝わってきて、最後まで飽きずに楽しめました。
「きみのダンスの技術は完璧じゃないし、むしろぎこちないが、魂は完璧だ」
「目的がなければ、生きる意味が無いだろう」
など、台詞にも説得力がありました。
軽やかな跳躍に見とれてしまった。
爪先まで美しかった。
しかし、映画だから多少の誇張はあるのかもしれないけど、ルドルフは自信満々で協調性がなくて、非常に気難しい人物だったようで。
天才だから許されたんだろうけど、周りの人は大変だっただろうなー、と。
この映画の前売り特典も欲しかったなあ。
【金子國義画・ルドルフ・ヌレエフモチーフ特製ファイル】だそうです。
さて、話は変わって、古い作品の前売り特典について。
文具も特典の定番ですが、メモ帳は結構多いんですよね
こちらの作品もそうでした。
NY発ロンドン行きの飛行機を舞台に、リーアム・ニーソン演じる航空保安官が正体不明の犯人と戦うサスペンス・アクションです。
閉ざされた空間ならではの緊迫感がたまりません。
「フライト・ゲーム」NON-STOP(2014年)
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:リーアム・ニーソン
ジュリアン・ムーア
ミシェル・ドッカリー
ルピタ・ニョンゴ
スクート・マクネイリー
ネイト・パーカー
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前売り特典はこちら!
【航空券メモパッド】
搭乗日が公開日になっています
中にもデザインが
「ウォール・ストリート」の100ドル紙幣と同じく、映画の内容に合わせて、工夫されていますね。
こういう特典には購買意欲をそそられます。
ザ・シンプルなメモ帳も少なくないので、後ほどまたご紹介していきます。
9.「ウォール・ストリート」
さようなら平成、よろしく令和。
これといって特別なことはしませんでしたが、大晦日みたいな雰囲気でしたね。
新しい時代の始まりということで、景気の良くなりそうな前売り特典をご紹介。
オリヴァー・ストーン監督とマイケル・ダグラスが再びタッグを組んだ、かの名作「ウォール街」の続編です。
「ウォール・ストリート」WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS(2010年)
監督:オリヴァー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス
シャイア・ラブーフ
ジョシュ・ブローリン
キャリー・マリガン
イーライ・ウォラック
スーザン・サランドン
フランク・ランジェラ
チャーリー・シーン
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前売り特典はこちら!
【100ドル紙幣風メモパッド】
中もうっすら100ドル紙幣風のデザイン
裏面もぬかりなし!
FOXで始まる通し番号とか、なかなか凝った作りですよね。
子ども銀行券で遊んでいた頃のわくわく感が甦ります。
金と欲にまみれた本作にはぴったりの特典じゃないでしょうか。
札束で汗でも拭いてみたいものですね。
8.「名探偵ピカチュウ」
平成最後の日!
いかがお過ごしでしょうか。
平成もたくさんの名作に出会えましたが、令和にも期待したいものです。
本日は平成最後に入手した前売り特典を紹介します。
あのポケモンの実写化です。
ピカチュウはオッサンだった……?
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「名探偵ピカチュウ」POKEMON DETECTIVE PIKACHU(2019年)
監督:ロブ・レターマン
出演:ジャスティス・スミス
キャスリン・ニュートン
渡辺謙
ビル・ナイ
スーキー・ウォーターハウス
リタ・オラ
オマール・チャパーロ
クリス・ギア
声の出演:ライアン・レイノルズ
前売り特典はこちら!
【名探偵ピカチュウ 捜査メモ帳】
表紙の厚紙などは無いタイプ
中も絵柄はすべて同じ
裏は厚紙になっていて……
立てて使うことができる!
裏はこういう状態
捜査メモ帳ということで、携帯用のメモ帳かと思ったんだけどなあ。
デスクに置いて、電話の内容とかをメモする感じか。
公開直前なので、特典売り切れの劇場もあったけど、無事にゲットできて良かった。
これで安心して令和を迎えられそう。
MCU 前売り特典 コレクタブルカード〈まとめ〉
というわけで、マーベル作品のコレクタブルカード、所有しているのは9枚だけでした。
まとめると、
「マイティ・ソー/バトルロイヤル」4枚組×1セット
「ブラックパンサー」4枚組×3セット
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」3枚組×2セット
「アントマン&ワスプ」3枚組×2セット
「キャプテン・マーベル」3枚組×2セット
「アベンジャーズ/エンドゲーム」3枚組×4セット
ということでしょうか。
合計すると、46枚になりますね。
あ、「ブラックパンサー」は《ブラックパンサーセット》、《ティ・チャラセット》、《キルモンガーセット》の3種に加えて、〈激レア!キラキラVer.がランダムに封入〉だったので、46枚+αになるのかな。
見落としがあったらスミマセン。
コレクタブルカードは保管に場所を取らないし、集めるのが楽しくなるアイテムだけど、もうひと工夫あると良かったなあ。
前に紹介した「エクスペンダブルズ2」のカードみたいなほうが、個人的には好みです。
各キャラの能力や弱点が書いてあると楽しくないですか?
今度はDCがこういう前売り特典つけてくれないかなー。
ハーレイ・クインちゃんやフラッシュくんのカードがあったら欲しい。